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2008年7月 8日 (火)

7月3日、、、あれから14年、、、ヒロシとの出会いの巻

案内された船室はC−7という部屋で、2段ベッドが3つ、計6人の部屋だった。ベッドのスペースのスペースいっぱいに荷物という、一体どこに寝るんだ!?状態になった僕の部屋に、多少の不安を感じつつ、とりあえずデッキに出てみる。 デッキの上は多少のムシ暑さがあったが、潮風が吹き抜ける分、地上よりは心地よかった。 少し離れたところに、東京タワーが霞んで見え、レインボーブリッジも一部ではあるがその姿をのぞかせていた。船のエンジン音が、ぐおんぐおん と響き渡り、なんとなくたそがれた、、、 デッキにはすでに大勢の乗客が出ていて、みんなそれぞれ外を眺めていた。それぞれの人の胸中にはそれぞれのそれなりに大きな何かが去来しているのであろうが、僕には推し量る事は出来なかった。

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乗船の図、、、こんな感じでノートに記してあった、、、

さきほどの犬を連れたベトナム難民風青年は見送りの人々に手を振って何事か大きな声で話していた。「 いいもんだなあー 」と僕は思いつつも、もし自分がこうされたら、、、結構つらいものがあるかなあ、などとも思ってみたりして、身勝手な独りよがり的想像をしていた。

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ねっとりとした東京港の空気。もうすぐ出港だ。

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空には、羽田に向かう飛行機が列をなして降りていく。思わず写真を撮ってしまう、、昔も今も。

やがて桟橋に、”蛍の光”のメロディーが流れ始め、午後3時、僕は一路沖縄に向けて船上の人となった。

 出航すると、船はまず大きくUターンをして船首の向きを変え、それから東京港 有明桟橋を後にした。犬を連れた難民を見送っていた友達たちは桟橋をどこまでもどこまでも駆けてきた。難民も大きく大きく、いつまでもいつまでも手を振っている。とてもドラマティックな光景が目の前で繰り広げられている。今思っても感涙にむせぶ光景だ。僕は感動に引き込まれるかの様にその見送りをずっと眺めていた。やがて、彼等の姿が見えなくなり当々、難民も手を振るのをやめた。足元には彼の犬がぴったりと寄り添い、彼の顔を見上げていた。なかなか賢そうな犬で、見た目はちょうど、カヌーイスト野田友佑の愛犬だった、ガクにそっくりだ。難民は遠くなった桟橋から目を離す事はなく、その目が少し涙で赤かった様に見えた。

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初めての船旅。ぐおんぐおんとエンジン音を響かせ、船は東京港を進む。少し油臭いような磯の風に、旅の始まりの心地いい緊張感が混じり合い、何とも言えない風情だ。

少しした後、僕はデッキでへたり込む様にすわっている難民を見つけ、思い切って話しかけてみた。彼の名はヒロシ。日に焼けた顔に笑顔がスゴく似合う青年だった。傍らの愛犬の名は”トラ”本名は”八重山寅次郎”あのフウテンの寅さんからとった名前だそうだ。去年一年間石垣島で過ごし、犬のトラはそこで生まれたのをもらって育ててきたのだという。そして彼はこれから再び石垣島に向かい、島のダイビングショップで働きながら暮らすのだという。 「 犬は船内に持ち込めないから、一緒にデッキで寝るんだ 」 屈託のない笑顔でヒロシは言った。「うーむなかなかかっこいい、、、やるな御主、、、」 感動を憶えた僕だった。そしてそんな彼の気持ちの大きさと心のやさしさがこの旅での、はじめての大きな出会いとなった、、、、、

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東京湾を抜けると、外洋は蒼く濃い大海原が広がっている、、、さあ、旅はここからだ!!  

           =====続く=====

※注 文中に出てくる人物名の敬称は省略させていただいております。                          

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コメント

kojiさん、ありがとうございます。う〜=ん☆♯ 仕事が上手くいっているかどうかはよくわかりませんが、ひとつ言えるのは、14年という月日が経ち、確実に老けた、と言う事でしょうか。西日を浴びてキラキラと輝いていたあの時の海。たぶんそこにいた僕たちも負けずに輝いていたのでしょう。忘れられない夏、忘れられない出逢い。大切にしたいです、そして、あの後もこれからも、大切にしたい”出逢いと出逢いたい”ものです。

投稿: マットシ | 2008年7月 9日 (水) 21時01分

突っ走ってきた“mattoshiさん”も、ようやく人生の中盤にかかり、仕事も家庭生活も順調で、こうして過去の自分を振り返ってみる余裕が出てきたということでしょうか。
“ヒロシとの出会い”に思いを馳せる・・・、それはとても幸せなことだと思いますよ。

投稿: koji | 2008年7月 9日 (水) 04時21分

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